昭和3年見島での撮影
 

【純粋和牛「見島牛」】
日本では明治維新になって、牛肉や豚肉を食べるという西洋の食文化が入ってきました。古くから役用牛として飼われてきた和牛を食用牛として改良を行うため、外国の品種を導入し交配させていったのもこの頃です。その結果、日本古来の純粋な和牛は姿を消していったのです。


農耕用としての役用牛だったころ

山口県萩市の日本海に浮かぶ孤島「見島」には、古くから役用牛として飼われてきた牛がいます。この牛は「見島牛」と呼ばれ、見島が離島という環境状況の中であったため、これまで他の品種との交配を免れ、世界でも稀に見る遺伝的に純度が高く、和種としての原型を今日までとどめています。そして日本で唯一の純粋和牛として昭和3(1928)年に国の天然記念物に産地指定されたのものです。

見島牛は昭和7年の最盛期には約700頭も飼育され、年に1回の子牛市場も開かれるなど流通も盛んに行われていました。しかし、農業の機械化により役用牛としての地位を失い、急減に頭数は減少し、昭和49年には31頭まで減少しました。このため昭和42年に見島牛保存会が発足し、増頭に取り組みはじめました。昭和53年から増頭傾向に移り平成16年2月現在の飼育頭数は90頭(繁殖雌牛67頭、育成牛4頭、子牛19頭)となっています。

萩・見島の見島牛放牧場
見島ウシ指定70周年記念像
牛の形をした島「萩・見島」
【純粋和牛の特質】
見島牛は他の和牛と異なり、何世紀にもわたって純血を保ってきたため、遺伝的に脂肪交雑(霜降り)の能力が高まってきたと言われています。また、農耕用などの役用牛として使われてきたことと、草だけの低栄養に耐えてきたため、筋肉内にエネルギーを蓄える性質も高めてきました。そして見島牛の特質を生かす飼育方法でこのエネルギーを脂肪に転換することで、全身の肉が素晴らしい霜降り肉になる優秀な能力を持っています。
   
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